2019.8.15行動【報告】天皇に平和を語る資格なし 国家による「慰霊・追悼」反対! 8・15行動

 八月一五日、在日韓国YMCAにて、「天皇に平和を語る資格なし 国家による『慰霊・追悼』反対! 8・15行動」が行われた。例年、反天皇制運動の実行委員会で取り組んでいる8・15行動だが、天皇「代替わり」の今年は、反天weekの一貫として取り組まれた4・28-29連続行動と同様に、首都圏の反天皇制運動に取り組む団体が呼びかけた「終わりにしよう天皇制!『代替わり』反対ネットワーク」(おわてんねっと)として集会とデモを行った。

 この日、日本武道館で行われた「全国戦没者追悼式」において徳仁は、天皇として初めて式典に参加して「おことば」を述べたが、その内容は明仁のそれと大きく変わるものではなかった。それは、明仁のいわゆる「平和主義」のムードを引き継ぎ、現実には日米安保体制の下で戦争国家の道を完成させてきた現在の地点を肯定し、日本の「平和」はこのような過去と現在の戦争において支えられているということの表明だった。戦争の死者が「国のため」の死者として賛美される構造にいささかの変化もなく、侵略戦争責任・植民地支配責任に居直って出発した日本の戦後を再確認することを意味した。

 集会の講師を務めた松井隆志さん(大学教員・『季刊ピープルズ・プラン』編集委員)のお話(「〈戦後〉批判 戦争責任問題との関連で」)は、まさにそういう内容に沿ったものだった。

 講演に引き続き、つくば・戦時下の現在を考える会から、九月二八日の茨城国体開会式反対行動の呼びかけがなされた。これは、おわてんねっととしても次の行動である。続いて、四月に明仁天皇の「武蔵陵」参拝の奉迎に八王子の小学生たちが動員された件に対して抗議する八王子市民有志から根津公子さんが報告。さらに、12・12靖国神社抗議見せしめ弾圧を許さない会、「2020オリンピック災害」おことわり連絡会、即位大嘗祭違憲訴訟の会、自衛隊・米軍参加の東京都・多摩市総合防災訓練に反対する実行委員会からアピールが続いた。

 「表現の不自由展・その後」に関するおわてんねっとの声明、集会宣言の確認のあと、おっちんズの歌。この間すっかりおなじみになった「天皇制はいらないよ」に加えて、新曲の「天皇に平和を語る資格なし」が披露された。

 集会後のデモは、いつものように靖国通りから九段下交差点に向かうデモ。あいにく台風の影響で、出発後まもなく激しい雨に見舞われ、靖国通りを出たあたりはスコールのような豪雨。参加者はみんなずぶぬれになっていまったが、ここまでくるとかえって清々しい(と個人的には思った)。右翼の方は、雨を避けて屋根のあるところに引っ込んでいたり、そもそも例年より参加者が少なかったりで、デモ隊に対する攻撃は体感的にはほとんどなかった。

 参加者は集会が二〇〇人近く。デモは三〇〇人近かったのではないかと思う。

 おわてんねっとでは、いま、10・22の即位式反対デモ、11・14大嘗祭反対行動の準備を進めている。引き続き多くの方々の結集と注目を!

(北野誉)