2018.8.15行動【集会宣言】8.15反「靖国」行動集会宣言

8月15日、今年も天皇・皇后が出席して行われる政府主催の「全国戦没者追悼式」が開催され、天皇は例年どおり言葉を述べた。国会議員など公人による靖国神社参拝もほぼ例年どおり行われた。これら式典と靖国参拝は、植民地主義・占領政策に基づく過去の侵略戦争への、無反省と無責任をごまかし続けるものでしかない。これらが今年も行われることに抗議の声を上げるため、私たちは今日の8.15反「靖国」行動に集まった。

天皇明仁の、天皇として最後となる今年の8.15は、祈る「平和」天皇として明仁がなしてきた「慰霊・追悼」の集大成として位置づけられる。そしてそれは、天皇制国家が起こした戦争の、その責任追及の声を黙らせてきた象徴天皇制の大きな節目としてもある。

天皇のために戦争で死んだ、あるいは「戦闘協力者」とされた「日本人」への補償および顕彰に比し、そうでない国内外の戦争被害者へは無補償といった無責任な日本政府の差別政策に、多くの「日本人」は口をつぐみ、国際的な責任に向きあうことを避け続けてきた。この明仁天皇最後の8.15式典も例外なく、そういった恥ずべき責任隠蔽の歴史をさらに固定化しようという意図に貫かれている。

政府は今年を「明治150年」として、近代150年をまるごと肯定的に評価するキャンペーンを張っているが、それは私たちにすれば植民地支配・侵略戦争の歴史150年を意味する。靖国神社はその象徴的存在であるが、単なる歴史的シンボルとしてではなく、侵略戦争の歴史を肯定し続ける現役の戦争神社として機能し続けている。その靖国神社に公人が参拝することで示されるこの国の歴史観は、過去150年の植民地主義の歴史を肯定するもの以外にない。そして、「全国戦没者追悼式」と、そこで天皇がのべる言葉は、そういった支配層の歴史観を強固なものとするためだけにある。

安倍政権は戦争のための法整備と「国民」づくりを着実に押し進めてきた。2013年には、安倍首相が靖国を参拝し、現在、それに対する抗議の声は司法によって握りつぶされる寸前だ。過去の戦争政策への肯定・礼賛は、それが現在の戦争準備政策に利するためにこそなされる。そういった課題関係を前提に、私たちはこれからも、現在進められている戦争準備政策への抗議とともに、過去の植民地政策・侵略戦争に対する責任追及を粘りづよく続けていきたい。

そして、そういった現実を不可視な状況に追いこむ装置としてあり続ける天皇制を、これ以上続けさせるわけにはいかない。象徴天皇制のもとでも、天皇は君主的な役割を果たし、神々の一族として明確な宗教儀式をさまざまに続けている。また、政府の政策を円滑に進めるために機能し、世襲制で特権的な地位につく差別的な存在である。そのような天皇制は、「代替わり」で延命させるのではなく、なくしていく方向を模索すべきであり、私たちは、このことを諦めず何度でもくり返し訴えていきたい。

天皇の「代替わり」を許さず、天皇制いらないの声を上げ、安倍政権の、現在の改憲・戦争政策に抗議するとともに過去の戦争責任の追及を忘れない行動を、ともに作り上げていこう!

2018年8月15日
8.15反「靖国」行動参加者一同