私たち反安保実行委員会と反「昭和の日」行動は、今年も共同で4・28「沖縄デー」に取り組み、4・29「昭和の日」に対するデモと連続した行動を作りだしてきた。
昨年安倍政権は、四月二八日を「主権回復の日」と位置づけ、天皇出席のもと政府記念式典をおこなった。それは、4・28に発効したサンフランシスコ講和条約で、沖縄などが「本土」から切り捨てられ、引き続き米軍政下におかれ続けたといった歴史的な経緯に対してあまりにも無自覚であり、本当のところ沖縄の人びとのことなどまるで念頭にない安倍政権の姿勢を、あからさまに示すものであった。当然のことながら、それは沖縄から大きな批判を浴びた。私たちも昨年、「主権回復の日」なるものは「誤った戦後のスタート」を、その起点において賛美するものであるととらえ、批判の共同声明運動、二八日の集会、二九日のデモに取り組んだ。
今年は政府式典はなかったが、基地問題をはじめとする「本土」の沖縄に対する植民地主義的な権力関係に変わるところがない。それどころか、安倍政権の日米安保強化・沖縄前線基地化政策は、より具体的に強められてきている。私たちは今年も、「沖縄・安保・天皇制を問う4・27/29行動」として二つの日付をつなぐ連続行動を行った(日程の都合上、二七日に討論集会をもった)。
二七日は、東京・水道橋のスペースたんぽぽで、約六〇人が参加して「沖縄と日本の占領と戦後」と題した集会。
講師として、鳥山淳さん(沖縄国際大学教員)をお招きし、「沖縄と日本の占領と戦後」について講演していただいた。
続いて、主催者側を代表して国富建治(反安保実)から、反安保の運動にとって沖縄がどのように捉えられてきたのかについて問題提起がなされた。そのあと、伊達判決を生かす会、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック、日韓つながり直しキャンペーン、立川自衛隊監視テント村、反五輪の会からのアピールがおこなわれた。
続く四月二九日には、新宿・柏木公園で「象徴天皇制の戦争・植民地支配責任を撃つ!4・29反『昭和の日』行動」。こちらには、約一〇〇人が参加した。
前段集会は、まず反安保実行委のメンバーより、二七日の講演集会の報告。続いて、自由と生存のメーデー2014、安倍靖国参拝違憲訴訟東京弁護団、「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会、戦争に協力しない!させない!練馬アクション、安倍のつくる未来はいらない人々、野宿者メーデー実行委員会からそれぞれアピールを受けた。
集会終了後、新宿を一周するデモに出発。
昨年同様、右翼によるデモへの妨害が続く。今年は、沿道にあらかじめ木刀らしきものを隠しておいて、それをもってデモ隊に殴り込もうとした寸前に、警察によって押さえ込まれた右翼の数人が現認されている。また、街宣右翼、在日特権を許さない市民の会などレイシストに加えて、男組・我道会のメンバーが、デモに併走して執拗ないやがらせ、妨害行為を繰り返したのが目立った。彼らは新大久保などではレイシストにたいしてカウンターをしているのだが、同じスタイルを、そのままこちらに向けているつもりなのかもしれない。3・11の東電前アクション!の行動に対しても集会妨害を行った連中でもある。
また、警察のデモへの介入もひどさを増している。違法な写真撮影もやめようとしない。それは、正当な権利としてのデモへの弾圧である。この点についても実行委としては申し入れを準備しているが、その抗議文もこの報告集には掲載した。
本報告集の発送をもって、4・27/29行動は解散するが、私たちは引き続き8・15の反「靖国」行動を準備している。六月末には天皇訪沖(対馬丸記念館訪問)が予定されているが、これに反対する行動を手始めに、反「靖国」行動を作っていきたい。ぜひ、引き続き参加と協力を!
(北野誉)