2014.8.15行動【宣言】安倍戦争国家の「追悼」を許さない! 8.15反「靖国」行動集会宣言

照り返す太陽と蝉の声、ラジオの前の人々の姿。ラジオから奇妙な声が響く。1945年8月15日の記憶として私たちに繰り返し刷り込まれた光景である。当時の天皇裕仁が連合国に降伏したことを告げた「玉音放送」が流された日。その日が「終戦記念日」と言われるようになり、「戦没者を追悼し平和を記念する日」にすり替えられた。

人々の記憶までも操作し、国家に取り込もうとすることに私たちは断固「NO!」と拒否の声を挙げる。

侵略戦争と植民地支配の責任をとることもなく、謝罪と賠償は未だなされていない。「南京大虐殺」も「従軍慰安婦」も無かったという発言が公然となされる。在日の人々に対するむきだしのヘイトスピーチは国連人権規約委員会から勧告を受けているが、政府は何の対策もとろうとしていない。広島、長崎への原爆投下、沖縄戦など、たくさんの人々を死にいたらしめた戦争へと突き進み、あらゆる局面において「棄民」を繰り返した責任もまた免責された。福島原発事故後における政府の対応も棄民政策そのものである。国体護持のためには人々の命を切りすてる歴史は繰り返されている。戦争の最高責任者であるヒロヒトが象徴天皇として生き延び、歴史は歪曲される。敗戦69年後の現在、アキヒト・ミチコ天皇制は極右安倍政権を批判する「リベラル」「左派」といわれる知識人たちにおいてさえ、「民主主義者」であると讃えられ、それらの言説は天皇制国家を問題としないばかりか、逆説的に天皇制を強化するものとなっている。私たちは、民主主義の原理に立ち返ることを何度も繰り返し、日本国憲法第1条天皇条項に象徴される、この国の戦後体制を問い続ける。同時に、戦争の放棄と非武装平和主義の原理、政教分離を明記した日本国憲法はけして否定しない。

7月1日、安倍政権は集団的自衛権の行使を、立憲主義の根幹を破壊する「解釈改憲」で閣議決定した。私たちは安倍政権の改憲を許すわけにはいかない。これまでに、秘密保護法、沖縄辺野古・高江への新基地建設、オスプレイの佐賀空港配備計画等といった、具体的な戦争準備がなされている。また「リムパック2014」に組み入れられた「離島奪還訓練」では米海兵隊と陸上自衛隊の日米合同訓練が行なわれ、先取りされた既成事実が積み上げられている。アメリカの大きな軍事体制に、この国も完全に組み込まれたということだ。8月8日に、米軍がイラク北部への空爆を開始した。また、イスラエル軍のガザ侵攻も続いている。5月13日にアキヒト・ミチコはイスラエルのネタニヤフ首相と会見している。安倍首相とネタニヤフ首相が国防とサイバーセキュリティの分野での協力推進で合意し、イスラエルの兵器開発に日本が加担していることも忘れてはならない。血まみれになって傷つき、殺された子ども、たくさんの人々。殺す殺されるという惨劇を私たちは絶対に繰り返してはならない。二度と戦争に加担してはならないのだ。

安倍首相は昨年12月26日に「靖国神社」を参拝した。「日本のために尊い命を犠牲にした英霊に尊崇の念を表すために手を合わせた」と記者団に語っている。安倍政権の「積極的平和主義」と、「幾多の尊い犠牲の上に築きあげられた今日の平和」という戦後の言説はつながり、来るべき戦争において、死者が生み出されることは免れないであろう。国家が「戦没者」を追悼することの意味について、私たちは7月21日に、毎年8月15日に反戦や平和を訴える行動を続けている仲間たちと議論する集会を行った。死者に対する国家の「追悼」は、「聖戦」に動員された「英霊」を讃える「顕彰」のための施設である「靖国神社」の教義と等しい、ということを再度確認した。

第一次安倍政権は、教育基本法の改悪により「愛国心」を涵養し、日の丸・君が代を強制。「国のために進んで命をささげる若者を作る教育」を目指した。すでに学校現場では「国のために」という教育が始まっている。

命の大切さを教えることではなく、戦争に動員させる教育は、人権に対してもないがしろだ。安倍政権の福祉を捨てた自助政策は、人が人として生きていける最低限の保障もなく、多くの貧困者を生み出している。富裕層は肥え太り、貧困層は絶望の中にいる。貧困にあえぐ若者を戦争動員のためにつくりだしているとしかいえない政策を許してはならない。

「戦争ができる国」へと暴走を続ける国家による「追悼」を、私たちは絶対に許さない。歴史認識の歪曲・改竄を許さず、天皇制国家による侵略・植民地支配責任を追及する声を仲間とともにあげ続ける。

天皇出席による「全国戦没者追悼式」や「靖国神社」に対して、ここに集まった仲間、全国の思いを同じくする仲間とともに、真夏の太陽よりも熱く抵抗の声をあげ行動する!

2014年8月15日
安倍戦争国家の「追悼」を許さない! 8.15反「靖国」行動参加者一同