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【報告】YouTube問題について(2015.8.15行動)

昨年(二〇一五年)、8・15デモ出発前に行ったアピール交換のための集会の模様が、会場に紛れ込んだ何者かによって、「潜入スパイ映像」というタイトルでYouTubeに流されるという事態が起こりました。発言者や実行委メンバーの発言内容や顔が明確に分かる動画です。実行委は「撮影希望者は実行委に許可を取る、写真や動画をインターネット上に流さない」という条件を何度も伝えていましたが、動画はそのタイトルにあるとおり、「潜入」という形で撮られたものです。実行委はすぐに動画削除のために動いたのですが、なかなかの悪戦苦闘で、やっと今年の春、削除に成功しましたが、残念なことに現在、別のアカウントで同じ動画がアップされています。再度、削除を試みますが、発言者のみなさま、大変申し訳ありませんでした。

実行委は現在、このような事態をつくり出さないために、会場内での撮影は実行委とその関係者のみということに限定することで、対応しています。ご容赦ください。

2016.8.15行動【報告】「聖断神話」と「原爆神話」を撃つ8.15反「靖国」行動実行委員会報告

反天皇制運動の実行委員会による、今年の反「靖国」行動は、〈「聖断神話」と「原爆神話」を撃つ8・15反「靖国」行動〉として取り組まれた。8・15の「聖断神話」と、オバマの広島訪問に通底する、「謝罪」どころか「死者」を利用する政治を、重ねて問題化しようという趣旨だった。

そのテーマはもちろん実行委の行動を通じて貫かれていたが、予想外の天皇制攻撃として出てきた「生前退位」を天皇主導の「Xデー」プログラムとしてとらえ、集会それ自体がそれへの反撃の第一歩となることを、常に意識して取り組んでいくこととなった。

8・15を前に、私たちは二つの集会を持った。まず、七月一八日に「天皇行事の『海づくり大会』はいらない!海づくりは、海こわし」と題して、九月に行なわれた山形「豊かな海づくり大会」反対に向けた討論集会を持った。その五日前にNHKの報道がなされた直後の集会である。実行委から発言した天野恵一がいう通り、天皇の「生前退位」に対する最初の反撃の集会となった。

七月三〇日には、千本秀樹さんを講師に、「『聖断』のウソ─天皇制の戦争責任を問う」と題した講演集会をもった。そして八・一五当日は、多くの団体からのアピールをもらい、デモに出発した。詳しくはそれぞれ別掲報告をみてほしい。

「有識者会議」が発足し、来年の国会に「生前退位」を可能とする法案が上程され、二〇一八年に「即位・大嘗祭」という説も出ている。そして二〇二〇年「東京オリンピック」が、新天皇の本格的な登場の舞台となるだろう。こういったかたちで、あたかも新しい天皇制の登場は、既定のスケジュールとして、私たちの前に示され、人びともまた、日常の中で既に先行的に「統合」しなおされているかのようである。

今後私たちは来年の反天皇制運動の準備に入っていくが、それは当然、この一連の課題を正面に掲げるものとならざるをえない。そこで、どのようなことばで、どのような運動を、どのような陣形で作りあげていくかが、ひとつひとつ問われることになるだろう。 しかし、すでにこの天皇状況の「日常化」に対して、違和を表明し、あえてそれを問題化していくさまざまな行動が各地で始まっているのだ。そうした行動の中から、討論し、考えよう。そしてともに闘い続けよう。

(北野誉)

2016.8.15行動【報告】「天皇代替わり」過程の開始の中で、7・30前段集会と8・15当日のデモに取り組む

今回の靖国と天皇制を問う実行委員会の行動は、「『聖断神話』と『原爆神話』を撃つ 8・15反『靖国』行動」としてなされました。

伊勢志摩サミットに引き続くかたちでなされたオバマ米大統領の広島訪問では、アメリカによる原爆使用の謝罪は表明されないで、一般的な「核廃絶」メッセージがなされるにとどまったのみならず、戦争において核兵器が使用され、これが批判され続けているにもかかわらず、その後の日米の軍事同盟が盤石なものである、ということこそが強調されたのです。裕仁の決断で戦争が終了したという虚構と、原爆によってこそ戦争を終了させることができたという虚構は、日米それぞれが戦後体制を築く端緒としての歴史の偽造であり、今回の行動ではこれを問題として提起していきました。

実行委の行動としては、七月三〇日に前段討論集会を持ち、八月一五日に当日行動を行なうという組み合わせで進められました。その過程で、明仁天皇じしんが「生前退位」を希望するという、天皇自身によって領導される「天皇制の代替わり」過程が開始され、同時に、与党政権が参院選を経て議会における圧倒的多数を確保したことで、憲法改悪もまた具体的な危機となっています。私たち実行委の行動は、そうした面からも、より重要な意味を持つものとなりました。

七月三〇日の討論集会では、講師として、千本秀樹さん(日本近現代史研究)から、「『聖断』のウソ─天皇制の戦争責任を問う」と題した問題提起を受けました。

昭和天皇裕仁の終焉が近づいた時期になって、「昭和天皇は平和主義者であった」という捏造がメディアに広く流通し始めました。それまで主体的・能動的に政治と戦争を指導してきた裕仁は、悲惨なアジア太平洋戦争における日本の敗戦が蔽いようもなく明らかな最終期になって、その側近たちとともに、天皇制を戦後に生きのびさせるための大掛かりな工作を開始しました。それは、連合国なかでもアメリカの戦後構想に、天皇制国家日本をビルトインさせるものでした。天皇の「聖断」により戦争が終結し「一億総懺悔」するという虚構とともに、国家の犯罪を明らかにする多くの事実や資料は隠滅されました。戦争責任を一つひとつ具体的に問うことが、戦後における民主主義の出発点になるはずでしたが、それらはすべて現在に至るまで未決のままとされています。明仁天皇は、こうした問題をすべて伏せ続けながら、天皇制の延命と天皇制国家の改変プロセスを新たに起動させようとしているのです。講演に引き続き、「沖縄一坪反戦地主会・関東ブロック」、「平和の灯を! ヤスクニの闇へ キャンドル行動実行委員会」、「再稼動阻止全国ネットワーク」から、集会への連帯アピールがなされ、「8・6ヒロシマ平和へのつどい二〇一六実行委」からの連帯アピールが紹介され、今回の8・15行動へのよびかけが参加者全体で確認されました。

八月一五日の行動では、まず在日本韓国YMCAにおいて、前段集会が行われました。今回の行動に参加した「No Welcome !  Tokyo Olympic Games 実行委員会」、「米軍・自衛隊参加の東京都総合防災訓練に反対する荒川・墨田・山谷&足立実行委」、「天皇出席の山形『海づくり大会』反対実行委」、「福島原発事故緊急会議」、「警視庁機動隊は沖縄・高江に行くな! 緊急抗議行動」、「Stop ! 辺野古埋め立てキャンペーン」、「辺野古の闘いを全国へ 辺野古リレー」、「有事立法・治安弾圧を許すな! 北部実行委員会」、日韓民衆連帯全国ネットワーク「東アジアの平和実現9・17集会実行委員会」からの発言を受け、参加者全体により「集会宣言」が採択されて、デモ行進に移りました。

今回の行動に対しても、右翼団体からの攻撃はさまざまになされ、掲げた横断幕を奪おうとする右翼により参加者が指を骨折するなどの状況はありましたが、多くの人々による毅然とした対応により、前回を上回る二百八十人の参加をもって、行動を締めくくることができました。共同行動への熱い支援に心から感謝します。

なお、今年は山形「海づくり大会」を取り組む現地の人たちからの呼びかけがあり、実行委として課題に加えて、7・18集会開催と現地行動への参加も取り組みました。

(nomad)

2016.8.15行動【報告】被災者切り捨ての中、「東北復興」を掲げた天皇行事をはねかえせ! 山形海づくり大会反対を闘う

三大天皇行事の一つ『第三六回全国豊かな海づくり大会〜やまがた』が「森と川から 海へとつなぐ 生命のリレー」を大会テーマに山形県庄内地方(式典は酒田市、放流行事は鶴岡市)で開催された。現地で反対闘争が準備されているので本実行委は七月一八日「海の日」に、築地社会教育会館で、会場周辺に公安がひしめく中、五〇人弱の参加を得て集会を行った。

山形の鈴木雄一さん(反戦反天皇制労働者ネットワーク・山形)は、「東北(支配)と水産業」と題して報告を行った。山形「海づくり大会」は、二〇一六年岩手「国体」、二〇一八年福島「植樹祭」へと続く、復興(新秩序)と振興(侵攻)につながる、鎮撫と「富国強兵」政策に向うためのものである。「東北」、や「鼠ヶ関」(ねずがせき)という地名は、外敵の住む北のはずれを意味する蔑視感があふれている。さらに東北は戊辰戦争で朝廷にさからって以降、仙台におかれた第二師団を中心に経済と行政がつくられてきた。「海づくり大会」の式典会場である酒田市も製鉄業など軍需産業のまちとして形成された。東北は「明治」に二回の天皇行幸が行われたが、その目的は自由民権運動弾圧と軍隊の慰労が主であり、軍隊を通して天皇制が入ってくるという今と同様のことが行われた。山形「海づくり大会」は「森と川から、海にも直接、放射能汚染による生命の危機リレー」である。福島原発事故の凍土壁工事は失敗し、汚染地下水は流出し、さらに大量のタンクの汚染水を海洋投棄によるさらなる海洋汚染を隠蔽し、被害者切り捨てに対する天皇による鎮撫工作である。復興演出のための、天皇のための行事であると弾劾し、現地闘争への参加を呼びかけた。

天野恵一さん(8・15反「靖国」行動実)は、「天皇行事の政治的意図」と題して、「天皇の『生前退位』が発表され、今日は、偶然だが最初の反撃の集会となった。昭和天皇のXデープロセスは自粛騒ぎだったが、今回は天皇アキヒトが生きたまま始まった。皇室典範改正や天皇が生きたまま即位したり、元号が変わったりする。今後の天皇儀礼は、全部Xデープロセスとして演出される。棄民化政策、被災者の切り捨てを行いながら『震災の復興』を演出し、その総仕上げとして『復興』茶番の東京オリンピックが行われる。「共産党が、天皇出席の国会開会式に出席するなど護憲派の総崩れの中で、『違憲行為はやめろ』という土俵で共闘する運動をどのように作っていくかが問われていると訴えた。現地闘争への結集を確認して集会を終えた。

九月一〇日、一一日の「海づくり大会」当日には、「反戦天皇制労働者ネットワーク・山形」の主催で現地闘争が闘われた。

一〇日は酒田市総合文化センターで、各地から反天皇制を闘う仲間三〇人超が結集し集会を行った。会場の内外を公安刑事がひしめいているのは天皇行事の恒例である。

主催者は「天皇アキヒトの『生前退位』意向表明後初の「地方公務」であり、3・11以降東北での初めての天皇行事である。今回の「海づくり大会」の目的は、放射能汚染の隠蔽、東北復興を演出することである。山形『海づくり大会』に続いて、岩手、二〇一八年福島と続く天皇制攻撃を、東北全体ではね返す最初の闘いにしたい」と訴えた。

続いて酒田現地から報告を受けた。報告者は大連に生まれ、満州での戦時体験を今に伝える語り部でもあり、戦後、弁論大会で天皇の戦争責任を追及しようとした「どしょっぽね」の持ち主である。大連で経験した学校と教師と戦争と経済を、実体験を元に教師の変貌のあり方として断罪した。

続いて鶴岡からは、雑木林再生のために子どもたちと植林した天然林を「海づくり大会」のために刈り払いされたことや漁場汚染の実態が批判された。

反戦反天皇制労働者ネットワークの吉田宗弘さんは、二〇一三年水俣の「海づくり大会」は水俣病が発生した「水俣の海の再生」、二〇一二年沖縄は「復帰四〇年を祝う」という政治的目的が明らかであり、天皇の「公的行為」とは「政治行為」であると断罪した。

靖国・天皇情報センター、立川、筑波、三鷹、静岡、札幌の参加者から連帯とアピールを受けて、集会を終えた。翌日一一日は九時半から参加者の決意表明を受け、式典時間にあわせ、式典会場近くを通るデモ行進を行った。「天皇出席の海づくり大会反対」「天皇制はいらない」などシュプレヒコールを上げるデモ隊と大量の機動隊と公安は近隣住民の注目の注目を浴びた。機動隊も秋田や山口などから集められていた。

闘争後、天皇の車列のために私たちの車が通行妨害を受けるという事態まで体験したが、天皇代替わり攻撃、天皇制賛美報道の中で、「天皇制廃絶」の声をあげることの解放感を実感した闘いであった。

(野村洋子)

2016.8.15行動【連帯アピール】山形「豊かな海づくり大会」反対現地闘争に参加されている皆さんへ

山形「豊かな海づくり大会」反対現地闘争に参加されている皆さん

この間、首都圏において反天皇制運動に取り組んできた、「『 聖断神話』と『原爆神話』を撃つ8.15 反『靖国』行動」より、本日の現地闘争を準備し、また現地に結集されている皆さんに、連帯のアピールを送ります。

私たちは、天皇制の「三大行事」といわれる「国体・植樹祭・海づくり大会」が、日本各地において行なわれてきた、天皇を戴く儀礼を通じて民衆統合をすすめる装置であり、その地域において、天皇警備という名の人権弾圧をともなう、官民一体の天皇翼賛体制をつくりだすものであるとして、反天皇制運動の大きな課題として位置づけています。

本来であれば、実行委メンバーの多くがこの場に結集していなければならないところ、日程的な諸事情で不十分な取り組みになってしまったことをお許し下さい。

私たちは、8.15に向けた前段集会のひとつとして、7月18日に「天皇行事の『海づくり大会』はいらない! 海づくりは、海こわし」と題して、現地闘争を準備されている方を講師にお招きし、討論集会を持ちました。そこでは、近代天皇制国家による東北支配の歴史と、政府・資本によって現地漁業が破壊されていく実態が明らかにされました。また、今回の「海づくり大会」が福島原発事故の翌年に開催を決定したものであり、それは2016年岩手国体、2018年福島植樹祭とつづく、東北における天皇行事のさきがけであること。そこで強調される「東北地方の復興再生」なるものが、現在進行形である福島原発事故や、汚染水の海洋放出という現実を隠ぺいし、原発再稼働政策を後押しするものに他ならないことを確認しました。

私たちは7月30日にも前段集会を持ち、さらに8.15の反「靖国」デモにも取り組みました。

それは、天皇明仁の「生前退位」の意向なるものがNHKにリークされ、そして天皇みずからの、「ビデオメッセージ」のテレビ報道という時期に重なりました。これらの天皇の行為は、「皇室典範」の改正を自らの意志で迫るという、象徴天皇制にとっての明確な違憲行為であり、さらに天皇制の「未来像」を、天皇主導によって確定していこうとする意思を示したものに他なりません。日本の国家社会を、戦争をする体制へと全面的に再編していく時代にあって、象徴天皇制がその存在意義である「国民統合」の機能を、より積極的なものとして高度化させていくという意味において、それは、天皇自身の手による、天皇制再編攻撃の開始であったといわざるをえません。

私たちの8.15行動が、首都圏においては、こうした天皇制攻撃に対する最初の街頭デモであったとすれば、今回の山形現地の闘いは、天皇行事そのものに対して、天皇に対して直接抗議の声を上げていく最初の闘いであると思います。

反天皇制運動の更なる展開をめざし、ともに闘っていきましょう。

2016年9月10日
「 聖断神話」と「原爆神話」を撃つ8.15 反「靖国」行動

2016.8.15行動【連帯アピール】第43回許すな!靖国国営化8.15集会に参加された皆さんへ

第43回 許すな!靖国国営化 8.15集会に参加された皆さん

参院選の結果、改憲勢力が衆参両院で改憲発議が可能な全議席の3分の2を超え、また日本会議の副会長でもある小池百合子が東京都知事に当選し、そして第3次安倍改造内閣に、4.28と8.15に靖国神社を、閣僚であった時期も含めて欠かさず参拝してきた稲田朋美が防衛相となる。そしていま、明仁天皇の「生前退位」の意向表明によって、新たな形態での天皇「代替わり」が開始されている──。このような時代状況のなかで、私たちは今年も、8.15反「靖国」行動を迎えています。

本日九段で行なわれている「全国戦没者追悼式」は、戦争の死者を戦後日本の「平和と繁栄」のための「尊い犠牲」として称えることで、人びとを死に追いやった日本国家の責任を解除する欺瞞的な儀式であり、天皇はその儀式の中心にたっています。こうした天皇の、いわゆる「公務」なるものが違憲の行為であり、今回の天皇のビデオメッセージの意味は、「天皇の仕事」が何ものであるかは天皇が決める、国民はそれを忖度して受け入れよということにほかなりません。

天皇の憲法違反は許されません。天皇の「公務」自体いらないし、民主主義に反する天皇制そのものは廃止されなければなりません。本日の私たちのデモは、今後数年間にわたる、天皇主導の新たな天皇制づくりに反対する最初の街頭デモとしても位置づけています。同じ日に東京で集会を持たれている皆さんに連帯し、ともに闘っていきたいと思います。

2016年8月15日
「聖断神話」と「原爆神話」を撃つ8.15反「靖国」行動

 

2016.8.15行動【宣言】「聖断神話」と「原爆神話」を撃つ8・15反「靖国」行動集会宣言

参院選の結果、改憲勢力が衆参両院で改憲発議が可能な全議席の三分の二を超え、また日本会議の副会長でもある小池百合子が東京都知事に当選し、そして第三次安倍改造内閣に、4・28と8・15に靖国神社を、閣僚であった時期も含めて欠かさず参拝してきた稲田朋美が防衛相となる──。このような時代状況のなかで、われわれは今年も、8・15反「靖国」行動を迎えた。

安倍政権下、具体的に「戦争をする」国家体制は日々現実のものとなっている。中国や朝鮮の脅威を煽り、沖縄を日米の前線基地にするために、先島への自衛隊配備や、大量の機動隊を辺野古や高江に投入して、暴力的に新基地建設を推し進めようとしている。「日米同盟」のためのパフォーマンスは、「伊勢志摩サミット」にともなうオバマの広島訪問においてもみられた。そこでは、原爆殺戮の当事者であるアメリカ政府の代表者であるオバマも、植民地支配と侵略戦争の結果として、原爆被害を招いた日本政府の代表者である安倍も、その戦争犯罪について謝罪することなく、原爆の死者を日米同盟の強化、「和解と未来志向」の場へと利用したのだ。

8・15もまた、戦争の死者を利用し尽くす場である。本日、天皇出席のもと九段で行なわれている「全国戦没者追悼式」は、戦争の死者を戦後日本の「平和と繁栄」のための「尊い犠牲」として称えることで、人びとを死に追いやった日本国家の責任を解除する欺瞞的な儀式である。8・15はけっして戦争終結の日ではなく、「終戦の詔勅」の「玉音」が放送された日に過ぎない。にもかかわらず、この日が「終戦の日」とされていることは、「戦後日本の平和」が天皇の「ご聖断」によってもたらされたとする神話を再生産していく。

そしていま、いわゆる明仁天皇の「生前退位」の意向表明によって、新たな形態での天皇の「代替わり」が開始された。

八月八日の天皇の「玉音放送」が示したことは、憲法解釈学においても論点となっている、「天皇の仕事」とは何であるのかということを天皇自身が決め、そしてそれを天皇が円滑に遂行するためのシステムをつくるように促したという事実である。その行為も、それを当然のように受け入れる心性も、民主主義とはほど遠い態度である。憲法の天皇条項は、こうした現実政治への関与を防ぐために、かつての天皇制国家への反省として定められた。天皇の行為は明らかに違憲の行為だ。

天皇の憲法違反は許されない。そもそも、天皇の「公務」自体はいらない。天皇制そのものが廃止されなければならない。本日のデモは、今後数年間にわたる、天皇主導の新たな天皇制づくりに反対する最初の街頭デモともなる。最後までともに闘おう!

2016.8.15行動【集会案内】「聖断神話」と「原爆神話」を撃つ 8.15 反「靖国」行動

■「聖断神話」と「原爆神話」……この二つの大嘘によって戦後が始まった。

■この大嘘(神話)は、日本の侵略戦争・植民地支配における天皇制の責任と、無差別大量殺戮という米国の戦争犯罪を隠蔽するためであった。そして、戦後の米国による核・軍事力を背景とした世界支配戦略を可能にし、日本では、天皇制の象徴天皇制というかたちでの延命(戦争責任を取らない体制)を可能にした(それによって「靖国信仰」も延命させた)。

■米大統領がヒロシマ訪問で謝罪しない、日本政府も謝罪を求めない……この歪んだありようも二つの大嘘に起因する。こんな戦後は一刻もはやく終わらせなければならない!
71 年前に時間を巻き戻し、天皇制の戦争責任を追及し、あるべき戦後の姿を作り直そう!

■二つの大嘘(神話)を撃つ、8.15 反「靖国」行動に是非参加を!

[前段討論集会]
「聖断」のウソ  天皇制の戦争責任を問う

講 師 千本秀樹 さん(日本近現代史研究)
[日 時] 7 月30 日(土) 17:45 開場/ 18:00 開始
[会 場] 文京区民センター 2A 会議室(地下鉄春日・後楽園駅)
[資料代] 500 円

8.15 反「靖国」デモ

[日 時] 8 月15 日(月) 14:30 集合/ 16:00 デモ出発
[集合場所] 在日本韓国YMCA 3 階
(JR 水道橋駅より徒歩9分、地下鉄神保町駅より徒歩7分)

主催 ●「 聖断神話」と「原爆神話」を撃つ8.15 反「靖国」行動

【呼びかけ団体】
アジア連帯講座/研究所テオリア/戦時下の現在を考える講座/立川自衛隊監視テント村/反安保実行委員会/反天皇制運動連絡会/ 「 日の丸・君が代」強制反対の意思表示の会/靖国・天皇制問題情報センター/連帯社/労働運動活動評議会

2016.8.15行動【よびかけ】「聖断神話」と「原爆神話」を撃つ8・15反「靖国」行動への参加・賛同を

五月二七日、「伊勢志摩サミット」に出席していたオバマ米大統領は、現職大統領として初めて広島を訪問した。広島でのオバマ訪問は「歴史的出来事」とされ、マスコミの世論調査で、九割以上の回答者がオバマの広島訪問を「よかった」と答え、それを「コーディネート」してみせた安倍政権の支持率も上昇した。

オバマは広島で「核兵器のない世界を目指す勇気を持たなければならない」と述べたが、それはなんら具体性を伴うものではなく、むしろオバマ政権は核関連予算を増大し、新型核巡航ミサイルなどの「近代化」をすすめるとしている。そして何より、オバマは原爆がこの地にもたらした非人道的な大量無差別虐殺行為について、なんら謝罪することはなかった。アメリカは始めから謝罪を拒否していた。今回のオバマの広島滞在も五〇分にすぎず、原爆資料館には、一〇分もいなかった。そして日本政府もまた、謝罪を要求しなかったのである。

安倍首相は五月中旬、「被爆国の首相と、核兵器を使用した国の指導者がともに犠牲者に哀悼の誠をささげることが核のない世界に向けての一歩になる」と語り、当日も「日本と米国が、力を合わせて、世界の人々に『希望を生み出す灯』となる」と宣言した。また、オバマは、そこから広島へ向かった米軍岩国基地において海兵隊員を激励し、日米同盟が「繁栄の基礎だ」と述べ、広島訪問の意義として「元敵対国が単にパートナーだけでなく、親友、最強の同盟国になれる」と強調している。二五日に行なわれた日米首脳会談においても、沖縄における米軍属による女性殺害・死体遺棄事件への大きな怒りが高まっているのに、「基地縮小」はおろか「日米地位協定の見直し」すら安倍は口にしなかった。

結局、オバマと安倍が広島でおこなったことは、「日米同盟」強化のためのパフォーマンスにすぎなかった。安倍が進める全国家的な再編は、戦争体制構築をその重要な環として進んでいる。自民党改憲草案は、立憲主義を破壊し「天皇元首化」をも掲げるものだが、「緊急事態条項」などを突破口として改憲を明言する安倍政権において、日米の軍事一体化と修正主義的な歴史認識は同時に追求されなければならない課題である。今回のオバマ広島訪問で演出されたのは、原爆殺戮の記憶を「和解と未来志向」で塗りつぶすことだ。明白な戦争犯罪さえもが、日米の「希望」のための道具として利用されたのである。

安倍はここで自らを、「被爆国の首相」とすることで、あたかも戦争の被害者であるかのような物言いをした。だが原爆殺戮は、近代日本の植民地支配と侵略戦争の帰結として引き起こされた、日米両帝国主義の戦争の過程でおきたことである。アメリカに原爆を投下した責任があるのと同じく、日本にはそれを招いた責任がある。強制徴用された多数の朝鮮人や、連合軍の捕虜をも含む二一万人にのぼる広島・長崎の原爆の死者を生み出したのはアメリカと日本であり、広島においてオバマが被害者に対して謝罪しなければならなかったと同様、安倍も被害者に謝罪しなければならなかったのだ。

こうした中で、私たちは八・一五の反「靖国」行動の準備を始めている。

敗戦七〇年の昨年、私たちは、広島現地で準備された「8・6ヒロシマ平和へのつどい2015」と連動しながら、「戦後レジームからの脱却」を掲げる安倍政権の歴史認識を批判する行動として、八・一五行動を取り組んだ。日本の「侵略」や「植民地支配」の責任の主体を限りなくあいまいにし、「未来志向」を謳い上げた「安倍談話」の思想は、今回の広島訪問における志向性と通底している。そして私たちが忘れてはならないのは、本来敗戦の日ではない八月一五日が「終戦記念の日」「戦没者を追悼し平和を祈念する日」とされていることの意味である。いうまでもなく、八月一五日とは、天皇の「玉音放送」がなされた日である。ポツダム宣言の受諾は八月一四日であり、ミズーリ号上での降伏文書への調印は九月二日だ。にもかかわらず、八月一五日が「終戦の日」であるのは、いわゆる天皇の「聖断」によって戦争が終結し、日本国民は救われたとする昭和天皇の神話に基づくといわなければならない。アメリカにおいて、戦争を終わらせ多くの米軍兵士の命を救ったものが原爆であるという神話があり、日本においては戦争を終わらせ多くの日本軍兵士と民間人の命を救ったものが天皇の「聖断」であるという神話がある。戦争の「語り」においてこの二つは対応し、かくして、「原爆民主主義」と「天皇制民主主義」が戦後日本の出発において刻印されることになったのだ。それは安保の「核の傘」を支えとして戦後日本に構造化されている。

私たちは、このようなかたちで、日本の植民地支配責任・侵略戦争責任と、アメリカの原爆大量虐殺の責任とを、ともに隠ぺいしていく八・一五をめぐる歴史認識の欺瞞性を撃つ視点から、今年の八・一五行動を取り組んでいきたいと考える。

安倍戦争国家による海外派兵の拡大が、新たな戦争の死者を生み出すことになるのは不可避だ。そういう戦争国家においては、国のための「死者」を、賛美・顕彰する「慰霊・追悼」儀礼と、そのための場所は不可欠である。靖国神社は歴史的にそのような場所であり続けていたし、戦後も一貫して、国の支援を受けてきた戦争神社である。毎年八月一五日に九段で行なわれる天皇出席の「全国戦没者追悼式」もまた、国家の戦争責任を解除し、戦争の死者を「平和」の礎として価値あるものとする儀式である。首相閣僚の靖国神社参拝をめぐって、それが「政教分離」違反であるとの批判を、安倍は「宗教行為ではなく習俗」であると強弁している。さらに伊勢志摩サミットの初日には、公式行事としてG7首脳の伊勢神宮「参拝」がおこなわれた。これらは、神道非宗教論を掲げた戦前の「国家神道」体制の、新たな装いによる再形成の動きともいうべきものである。

われわれはこうした問題意識に立って、今年の反「靖国」行動を、闘っていきたい。実行委員会への参加・賛同・協力を訴える。

 

 

「聖断神話」と「原爆神話」を撃つ8・15反「靖国」行動

【呼びかけ団体】アジア連帯講座/研究所テオリア/戦時下の現在を考える講座/立川自衛隊監視テント村/反安保実行委員会/反天皇制運動連絡会/「日の丸・君が代」の強制反対の意思表示の会/靖国・天皇制問題情報センター/連帯社/労働運動活動者評議会

2016.4.28-29行動【報告】安倍政権下の日米安保体制と天皇制を問う4.28-29 連続行動報告

今年の四・二八〜二九連続行動は「安倍政権下の日米安保体制と天皇制を問う」というテーマで設定された。この間、反天皇制を課題とする実行委の行動は、一九五二年四月二八日のサンフランシスコ講和条約と日米安保条約の発効に始まる、沖縄に対する米軍支配の問題を、昭和天皇裕仁の戦争・戦後責任の問題と重ねて提起、二〇一〇年からは「反安保実行委員会」との共闘による連続行動として取り組まれている。今回の闘争は、とりわけ、昨年九月に強行され、今年三月末に「発効」させられたばかりの安倍戦争法下においてのものとして、重要な意味を持つものでもある。施行された戦争法の「集団的自衛権」により、沖縄は米軍と自衛隊の最前線としての存在を、これまでよりさらに厳しく強いられることになった。

四月二八日は、これまでも「沖縄デー」として数々の闘いが重ねられてきているが、この日、実行委は、文京区民センターにおいて屋内集会を開催した。沖縄から日本基督教団うるま伝道所牧師の西尾市郎さんをお招きして「沖縄『構造的差別』の歴史と現在」と題した講演をしていただいた。

現在、自民党は改憲の突破口として、東日本大震災や現在も続く熊本・大分の大震災を利用し、憲法に「緊急事態」条項を挿入しようとしている。これが実現すると、災害などをきっかけに憲法を停止した独裁がすぐに行使されるだろう。西尾さんは、この「緊急事態」法と辺野古における闘いが一つのものだというところから語り起こされた。
沖縄における反戦・反基地の闘いの基底には、沖縄戦における苛酷な経験が語り継がれ、共有されていることが存在する。「蛆が人間を食う音」「人間が腐っていく強烈な臭い」などのリアルな体験が沖縄戦の記憶としてあり、これらが「平和」を希求する意思をつくっているのだ。人の痛みに共感する人間性こそが、辺野古をはじめとする現在の沖縄における闘いの根本だ。だからこそ、私たちの闘いは分断され対立させられてはならない。こうした体験をもとに、平和をアジアとの連帯の中で実現していくことの重要性が、講演の中で何度も強調された。

引き続き、今回の実行委から天野恵一が発言。いま、昭和天皇の「沖縄メッセージ」による沖縄の米軍への売り渡しの事実や「尖閣」諸島など「領土」問題が、歴史修正主義者たちの主要な論点として浮上しており、なかでもR・D・エルドリッジによる歴史解釈の読み替え(「オキナワ論」新潮新書ほか)については、今後も批判的検討が重要になることが、集会資料の解説とともに報告された。

引き続き、会場発言として、一坪反戦地主会関東ブロックの大仲さん、辺野古への基地建設を許さない実行委員会の中村さん、ストップ辺野古埋め立てキャンペーンの芦沢さんから問題提起。さらに、明治公園野宿者への攻撃への反撃を訴えるアピールが反五輪の会よりなされて、集会は締めくくられた。この日はいろいろな行動と重なることもあってか、参加者は七五名だった。

明けた四月二九日には、新宿柏木公園からデモ行動が行われた。出発前の公園において、まず実行委の国富建治から、前日の集会を要約する報告とともに「この『昭和の日』は、天皇制の延命のために敗戦を遅らせ、悲惨な沖縄戦を招いたばかりか、戦後における『構造的沖縄差別』の成立に対しても大きな役割を果たした昭和天皇を賛美する日だ」と提起、さらに前日に引き続いて西尾さんからも発言を受けた。参加者からは、「自由と生存のメーデー」実行委、「伊勢志摩サミットに反対する実行委」による新宿デモの提起、G7茨城・つくばサミット反対を取り組む戦時下の現在を考える講座、「三多摩メーデー」への参加を呼びかける同実行委からのアピールがなされ、デモに出発した。

今回のデモに臨んでは、二月一一日のような不当な規制がなされないように強く申し入れをしていたこともあってか、警察による弾圧は、これまでのなかでは比較的小さいものだった。もちろん、右翼はつきまとい、妨害・暴行をねらう挑発を繰り返したが、私たちは毅然として行動を貫徹することができた。解散地の柏木公園においては、明治公園弾圧の救援会からのアピールを受け、この日の成果が確認されて行動を終えた。参加者は約九〇名だった。

(のむらとも)